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東京・広尾の「LA BISBOCCIA –ラ・ビスボッチャ」。キアニーナ牛を日本で食べることができる、数少ないレストランの前に、どん兵衛の担当者は立っていた。

担当者
果たしてキアニーナ牛が、本当に副賞に相応しいのか。食べないで決めることはできない!自らの舌で、そして会社の予算で、確かめてやる!

担当者
(早速注文してやろう。って、あれ?メニューに、キアニーナ牛が載っていないぞ…。)
担当者
あの…、キアニーナ牛はどこに?
シェフ
当レストランでは、キアニーナ牛は月に2回仕入れているのですが、量が限られているので、グランドメニューには載せていないんですよ。
担当者
(なんと…。キアニーナ牛は、裏メニューなのか…。)
き、今日は、キアニーナ牛はありますか?
シェフ
ご用意しておりますよ。このひときわ脂身が少ないお肉がキアニーナ牛になります。
担当者
おいしそうですね。
シェフ
ありがとうございます。食べ方は、「ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ」でよろしいでしょうか?
担当者
は 、はい!
(ちくしょう!なんだそのビステッカなんとかって!)

※「ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ」とは、フィレンツェ風のビーフステーキのことである。

シェフ
こちら、「ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ」でございます。炭と薪で、30分じっくりと焼き上げてまいりました。
担当者
(30分…。10分どん兵衛で、いい気になっていたどん兵衛が恥ずかしい…。)
シェフ
キアニーナ牛は、上手に焼くのがとにかく難しいんです。
担当者
(そうなのか…。この美しい焼き加減。レアすぎても、焼きすぎても台無しになる繊細さ。早すぎても遅すぎても台無しになる漫才と同じ匂いを感じる。そうか、キアニーナ牛とM-1はこんなところでも、繋がってたのか!)
担当者
では、早速いただきます。
担当者
(ひゃーーーーーーーー!この低脂質の赤身…なんという上品さ。これがイタリア生まれの、牛の王様か…。)
シェフ
いかがですか。
担当者
炭と薪でじっくり焼いているというのがよくわかります。スモークというか、燻製に近い木の香りが、鼻から広がりますね。
シェフ
ありがとうございます。
担当者
噛めば噛むほど味が出てきますね。派手な味はしないが、旨味はあると言いますか。どのような味付けをされているんですか?
シェフ
キアニーナ牛の旨味が引き立つよう、シンプルに塩コショウのみで仕上げております。塩は、シチリアの塩。コショウはカンボジアのものを使用しております。
担当者
(な…。このステーキの味付けは塩コショウのみ…?そうか、1級品は余計なものを必要としないのか。まるでマイク1本だけで爆笑を取る漫才のように…。)
シェフ
どうかされましたか?
担当者
おかげさまで、確信が持てました。
シェフ
はぁ…。気に入っていただけたのであれば、何よりです。

鋭すぎる独自の感受性で、キアニーナ牛とM-1グランプリに共通点を見出した担当者は、これこそが王者に相応しい贈り物=副賞である、と結論づけるに至ったのであった。

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