果たしてキアニーナ牛が、本当に副賞に相応しいのか。食べないで決めることはできない!自らの舌で、そして会社の予算で、確かめてやる!
(早速注文してやろう。って、あれ?メニューに、キアニーナ牛が載っていないぞ…。)
当レストランでは、キアニーナ牛は月に2回仕入れているのですが、量が限られているので、グランドメニューには載せていないんですよ。
(なんと…。キアニーナ牛は、裏メニューなのか…。)
き、今日は、キアニーナ牛はありますか?
ご用意しておりますよ。このひときわ脂身が少ないお肉がキアニーナ牛になります。
ありがとうございます。食べ方は、「ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ」でよろしいでしょうか?
は 、はい!
(ちくしょう!なんだそのビステッカなんとかって!)
※「ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ」とは、フィレンツェ風のビーフステーキのことである。
こちら、「ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ」でございます。炭と薪で、30分じっくりと焼き上げてまいりました。
(30分…。10分どん兵衛で、いい気になっていたどん兵衛が恥ずかしい…。)
キアニーナ牛は、上手に焼くのがとにかく難しいんです。
(そうなのか…。この美しい焼き加減。レアすぎても、焼きすぎても台無しになる繊細さ。早すぎても遅すぎても台無しになる漫才と同じ匂いを感じる。そうか、キアニーナ牛とM-1はこんなところでも、繋がってたのか!)
(ひゃーーーーーーーー!この低脂質の赤身…なんという上品さ。これがイタリア生まれの、牛の王様か…。)
炭と薪でじっくり焼いているというのがよくわかります。スモークというか、燻製に近い木の香りが、鼻から広がりますね。
噛めば噛むほど味が出てきますね。派手な味はしないが、旨味はあると言いますか。どのような味付けをされているんですか?
キアニーナ牛の旨味が引き立つよう、シンプルに塩コショウのみで仕上げております。塩は、シチリアの塩。コショウはカンボジアのものを使用しております。
(な…。このステーキの味付けは塩コショウのみ…?そうか、1級品は余計なものを必要としないのか。まるでマイク1本だけで爆笑を取る漫才のように…。)
はぁ…。気に入っていただけたのであれば、何よりです。
鋭すぎる独自の感受性で、キアニーナ牛とM-1グランプリに共通点を見出した担当者は、これこそが王者に相応しい贈り物=副賞である、と結論づけるに至ったのであった。